表と瓜

「表 (一般男性)」と「裏 (同性愛者)」のシンドローム 。

遠く、遠く、離れることになっても。

ついに、一週間後、生まれ故郷北海道を離れる日がやってくる。

北海道で生まれ育つこと25年。

生まれて24年間、実家暮らし、
その後1年間、一人暮らし、
そして、上京。

今まで北海道というものに何の感情も抱いていなかったことがよくわかる。
ようやく北海道を離れるという実感が湧いてきて最近感傷的になっている。

失って初めて気づく大切さ、みたいな。
実は、失う前から気づいている。

北海道には、
生まれ育った故郷があり、
大事な家族がいて、
少ないけど大切な友達がいて、
今までの学校の仲間がいて、
大切な人がたくさんいる。

こんな人たちと遠く離れてしまう。
「遠く、遠く、離れていても、僕のことがわかるように。」(遠く / 槇原敬之)


春は、まだ肌寒く、ゴールデンウィークになってようやく花見ができる。ちょっと遅い。
夏は、暑いけど乾燥していて過ごしやすい。本当に暑い日じゃないと海水浴はできない。
秋は、夏が短いことを毎年嘆くけど、朝晩寒い年の紅葉がきれいだからぎり許せる。
冬は、一面雪が積もり、真っ白に。「これ以上雪降らないで。早く溶けて。」と願う日々。

こんなんだけど、住めば都、本当にそう。

稚内、函館、知床、いろいろ行った。離島も1つだけど行った。
海鮮は食べられないから、海の幸はノータッチだった。(よく、もったいないと言われる)
でもその分、山の幸、畑の野菜はたくさん食べた。
観光名所もほぼいったのでは。
もう行きたいところは特にないのでは。
もう食べたいものも特にないのでは。

と思うけれど、まだ住んでいたかったと思う。
なんでなの。

やっぱり大切な人とこれまでの思い出があるからなのか。


上京を避けられない運命になってしまったけど、
大学に入った瞬間から、北海道を出ることは決まっていたように思う。
理系職って文系職と比べてどうしても地域がかぎられてしまうからね。

だから心の奥底で何年も前から覚悟はしているはずだったんだ。
いざ目の前に立ってみて、その覚悟が揺らいでいるだけ。
「あ、汗で視界が、、揺らぐ、、、。」

でも北海道で就職して働くことはイメージできないの。
どうしてもできなかったの。
自分に適する理系企業がなかったから。。。

だから上京するんだ。
そして、一生懸命に働いて
いつか輝くんだ。

「力いっぱい、輝ける日を、この街で迎えたい」(遠く / 槇原敬之)


新型コロナウイルスの影響で僕が主役の送別会が中止になってしまって
お別れの挨拶をちゃんとできなかった。
お別れの挨拶って何を言えばいいのかよくわからないから、
一安心したような、寂しいような、複雑な気分だった。
だから少しばかりメールで感謝の気持ちを伝えた人もいる。
そして、いつかみんなに会いたいと思ってるし、会えるとも思っている。

北海道に帰ってきたときには、変わらずに元気な姿を見せたいし、
自分が向こうで成長した姿も見せたい。

「大事なのは変わってくこと、変わらずにいること」(遠く / 槇原敬之)


上京して輝く覚悟を、いま、ここで、した。